マイケル・ベイの執念が詰まった映画「トランスフォーマー」 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)


■BD:「トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション」

【あらすじ】

「それ」は突然やって来た。
高度な知能を持ち、車、ラジカセ、携帯電話など
あらゆるテクノロジー機器に姿を変えることが出来る謎の金属生命体。
彼等は探しているものがあった。
ロボットに変身(トランスフォーム)した彼等が辿り着いたのは、
探検家を祖先に持つ高校生、サムの家。
サムの祖父が遺したある物に、人類の未来を左右する
重大な秘密が隠されているらしい。

そんな事も知らないサムは、マイカーを手に入れるため
祖父の遺品をオークションに出品して小銭を稼いでいた。
念願のマイカーは中古のオンボロだったが、不思議な魅力があった。
ある夜、オンボロカーが勝手に自宅を飛び出してしまう。
慌てて追ったサムの目の前に現れたものは、巨大なロボットであった。

製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ、監督はマイケル・ベイ。
主人公サムを演じるのは、海外版「風の谷のナウシカ」で
アスベル役を演じていたシャイア・ラブーフ。
現在、最も将来を期待されている若手俳優のひとりである。


「トランスフォーマー」に関しては
ファミコン版「コンボイの謎」をプレイした程度の知識しか
持っていない私なので、キャラクターに対する思い入れなどは
特にないのだが、それでもこれはアツい。
ハリウッドらしい(良い意味での)力任せの演出と
ウィットのあるシナリオに、日本のヒーローモノらしいお約束が融合し
良質な和洋折衷のSFアクションに仕上がっている。

本作からヒシヒシと感じるのは、
マイケル・ベイの映画人としてのサービス精神と誇り。
ルーカスやスピルバーグが「もう大作は撮らない」と公言し
ゲーム機の表現能力が映画と並んだと言われる中、
「ハリウッドらしい、万人が楽しめる大作を誰かが残さなければならない」
「ゲームが進化するなら、映画は常にその先に行くのだ」という
ベイの執念がスクリーンから滲み出ている。
もともと分かり易い大作ばかりを手掛けて来たベイだが
本作は「パールハーバー」のように
公開エリアによって物議を醸すような題材でもなく、
まさに全世界・全世代がターゲットである。
ハリウッド史上最高のオープニング記録を打ち立てたのも納得だ。

気になったのは、「アルマゲドン」や
「アイランド」でも見られたカメラワークの雑さ。
特に後半、数十分間に渡り延々と戦闘が続くシーンでは
激しさのあまり肝心のトランスフォームや
機体の華麗なアクションを堪能することが出来ず
ストレスが溜まってしまった。
時折挿入されるスローモーションは
あれ以上増やすとテンポが悪くなろうし、難しい問題ではあるのだが
何とかクリアしてもう一段階上に行って欲しい。

「日本製に違いない」「eBayで見つけた」など
あちこちに仕込まれた脚本の「お遊び」も楽しい。
「トランスフォーマー」世代のジジィはもちろん、
ファンタジー作品に押されて減少傾向にある
SFアクション映画のファンにも是非お勧めしてみたい。

それにしても「ハッピータイム」とは・・・「踊るヒット賞」モノの表現だな。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:トランスフォーマー
    配給:UIP
   公開日:2007年8月4日
    監督:マイケル・ベイ
    出演:シャイア・ラブーフ、タイリース・ギブソン、他
 公式サイト:http://www.unltd-media.jp/tf/top.html
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