1本の本棚。DS「DS文学全集」 | 忍之閻魔帳

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■DS:「DS文学全集」

今回紹介する「DS文学全集」は、
任天堂が「Touch!Generations」シリーズの最新作として送り出す
「DSで読書」の決定版的な作品である。
発売は10月18、価格は2800円(税込み)。
開発はジニアス・ソノリティ
毎年恒例の「読書週間」(10月27日~11月9日)に合わせて発売される。


■Book:「あらすじで読む日本の名著 No.3 小川義男」
■Book:「あらすじで読む日本の名著 No.2 小川義男」
■Book:「あらすじで読む日本の名著 No.1 小川義男」

システムとしては、スパイクから発売中の
「一度は読んでおきたい日本文学100選」に最も近く、
DSの容量を活かし、数々の名作をこの1本に凝縮していることがウリ。
収録作品数は100作で、20世紀に活躍した文豪の作品を
「原作」と「あらすじ」の両方で楽しむことが出来る。
「あらすじ」とは、原作のテイストを損なわない程度に
ボリュームを本編の1/3程度に要約したもので、
ベストセラーとなっている「あらすじで読む日本の名著」の
小川義男が全面監修している。
「あらすじ」の途中で「原作」に飛ぶことも、またその逆も可能。

操作方法は「脳トレ」でお馴染みの縦持ちスタイル。
ボタン操作にも対応しているが、ページめくりやしおりを挟むなど、
全てタッチペンで行うことが可能で、操作性はかなり快適。
左利きの方にも楽しめるよう、タッチパネルの向きを左右どちらにも
設定することが出来たり、テキストの大きさも2段階に変更出来たりと
より幅広いユーザー層をフォローしようという心遣いも忘れていない。

BGMは、「ビーチ」「公園」「秋の縁側」「寝台列車」など
「読書環境」を意識した音作りで構成されており、
「一度は読んでおきたい日本文学100選」が採用していた
「おだやかな曲」「不安な曲」「恐ろしげな曲」といった
ラインナップとはかなり性質が異なる。
「一度は読んでおきたい日本文学100選」のBGMは
「ドラえもん」で言うところのムード盛り上げ楽団的なもので、
場面によっては曲と合わなかったり
曲の主張が強過ぎてかえって邪魔になることもあったのだが、
「DS文学全集」のBGMは、プレーヤーの没入感を阻害しない程度に
抑えられている分、よりスマートな印象を受けた。

DS文学全集
■DS:「DS文学全集」

「DS文学全集」が他の読書ソフトに比べて優れている点は
Wi-Fiを使った参加型のソフトである、ということと、高い拡張性。

プレーヤーは読み終えた作品に対して
「泣ける」「心温まる」「怖い」などいくつかの項目から
その作品に適したイメージを選択し、10点満点で評価することが出来る。
評価はWi-Fiを通じて任天堂に集められ、
ランキングとなってプレーヤーにフィードバックされるという仕組み。
ランキングの結果により、作品の帯の部分(画像参照)や
「ユーザーの選んだ泣ける作品」などのランキング結果に変化が現れる。

また、Wi-Fi経由で新しい作品を無料でダウンロードすることも可能。
毎月5作前後、トータルで100作品ほどを配信する予定で、
最大982KB、27冊までの作品をダウンロードすることが出来る。
(10月19日、上記部分を訂正させていただいた)

「100作収録」だけでも充分商品になる物に
さらに一手間かけて送り出すところがいかにも任天堂らしい。
斜め読みからじっくり読みまで対応し、
Wi-Fiを使えば最大200作まで楽しめて2800円。
このところじんわりと値上げ傾向にあった任天堂のソフトだが、
1作あたり14円なら、コストパフォーマンスも圧倒的である。
今後発売予定の類似ソフトはさぞかしやりにくくなったことであろう。

欲を言えば、ジャケットにも使用されているような
クラシックな書体も入れて欲しかったところだが、
これだけの内容でこの価格なら文句は言うまい。

「読書の秋」に限らず、年中通してお勧めの1本だ。

この記事へのリンクは以下のURLまで。
http://ameblo.jp/sinobi/entry-10046219043.html


■DS:「一度は読んでおきたい日本文学100選」
■DS:「DS図書館 世界名作&推理小説&怪談&文豪」

*当BLOGでの新作紹介は、
 1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
 3:発売までに内容変更の可能性もあること。
 を予めお断りしておく。
 簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:DS文学全集
  メーカー:任天堂
   発売日:2007年10月18日
    価格:2,800円(税込み)
 公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/ds/ybnj/index.html?link=jpg
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読書週間