秋葉原限定上映で良かったのでは。映画「伝染歌」AKB48 | 忍之閻魔帳

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伝染歌

「8章まで続く」と壮大な構想をぶち上げた「着信アリ」が
3作目にしてあっさり「FINAL」を迎えてしまったためか
秋元康は「呪いの携帯」を捨て、「呪いの歌」に手を出した。

【あらすじ】

ある日、女子高生の夏野あんず(大島優子)は
同級生の香奈(前田敦子)が自殺する現場に遭遇してしまう。
マスコミはいじめが原因ではと報道するが
あんずには気になることがあった。
それは、香奈が自殺する直前に歌っていた「歌」だ。
同じ頃、都市伝説やゴシップばかりを扱う雑誌
「月刊MASAKA」の編集部に勤める陸(松田龍平)も
「歌うと死ぬ歌」の噂を耳にしていた。
香奈の死に疑問を抱いたあんずは友人の松田朱里(秋元才加)と、
噂に興味を持った陸は編集部の先輩である太一(伊勢谷友介)と共に
伝染歌の真相を追い始める。

企画・原案は「着信アリ」の秋元康。
監督は「 おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」から
「 突入せよ!「あさま山荘」事件」まで幅広く手掛ける原田眞人。


「呪いが伝染する」というアイディア自体、
「リング」の亜流でしかないわけで、携帯を歌に変えたところで
今さら目新しさが出るはずもなく、秋元がプロデュースしている
AKB48を起用して、少しでも目先を変えたいという意図は分かる。
分かるが、これはどう見ても出来の悪いアイドル映画である。

「着信アリ」と本作には共通した欠点がある。
それは、思いつきのアイディアを煮詰めることなく
勢いだけで映画化していることだ。
「未来の自分から着信が入ったら怖いんじゃね?」
「歌ったら死ぬ歌とかいいんじゃね?」という「核」に
都市伝説やAKB48といった流行のワードを取り入れれば
はい一丁上がり、という秋元流のレシピには
食材の吟味も、丁寧な下ごしらえも、隠し味も存在しない。

原田眞人監督は「着信アリ」とは違うテイストを出すべく
努力しているし、松田龍平と伊勢谷友介のコンビは
他の作品でもう一度観たくなるほど良い味を出している。
いっそこの2人が都市伝説を追う連続ドラマを制作した方が
良かったのではと思うほどに良い。
しかし、あまりに安普請な土台とAKB48の破壊力の前に
彼等の努力がすっかり相殺されてしまっているのだ。

ホラー映画の苦手なAKB48ファンには安心であろうが
本当に、全く、1ミリも怖くないので、AKB48に特別な思い入れのない
ホラー映画ファンは素直に避けた方が良い。
今年の夏は「ブラッド」「怪談」といった良作もある。
それはそれで怖すぎるというなら、
ハローバイバイの本でも読めば良い。

後半、秋葉原の電気店でAKB48のメンバーがこんな会話をしていた。
「ねーねー、こーゆー時ってやっぱり靖国で会おうって言うのかな?」
「いーんじゃない、それで」
「ヤスクニってなーに?スーパーか何か?」
今にして思えば、このシーンが一番怖くて寒かった。


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「私、キレイ?」で一世を風靡した
あの「口裂け女」が27年振りの復活。
水野美紀の熱演は買うが、オチも含めてアラが山のようにあり
消化不良な印象だけが残る惜しい作品。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:伝染歌
    配給:松竹
   公開日:2007年8月25日
    監督:原田眞人
    出演:松田龍平、伊勢谷友介、AKB48、他
 公式サイト:http://www.densen-uta.jp/index_p.html
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