時代に呑まれた若者達の幸福な一瞬。映画「GSワンダーランド」、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

▼今週末公開の主な新作

今週は明日(28日・金曜日)から「ソウ5」が公開されるので
いつもより1日早くまとめてみる。


(C) 2008 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
■公式サイト :「ソウ5/SAW V」

【紹介記事】追いかけます、続けるならばどこまでも。映画「ソウ5/SAW V」

まずは「ソウ5」。
既に別記事で紹介済みなので、詳しくはそちらで。


(c)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
■公式サイト:「デス・レース」


■DVD:「デスレース2000」

1975年に発表された伝説のカルトムービー「デスレース2000」が
「バイオハザード」「エイリアン VS. プレデター」の
ポール・W・S・アンダーソン監督の手によってリメイク。
主演は「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム。
製作は「デスレース2000」と同じロジャー・コーマン。
ダイナミックなバカバカしさが再現されていることに期待したい。
1975年度版も今年の2月に低価格で再リリースされている。


(c)2007 Younggu Art Co.,Ltd.All Rights Reserved.
■公式サイト:「D-WARS」

こちらも「デスレース」に負けず劣らず
バカバカしそうな臭いがプンプンする「D-WARS」。
キャストだけ見ているとB級のハリウッド映画のようにも見えるが
実はれっきとした韓国映画。
怪獣・特撮映画の大ファンであることを公言しているシム・ヒョンレ監督の作品。
主演は「THE JUON/呪怨」のジェイソン・ベア。
韓国映画の怪獣映画と言えば真っ先に「グエムル 漢江の怪物」を
思い浮かべるのだが、家族愛を絡めていた「グエムル」とは異なり
こちらはあくまでもハリウッド的なアプローチ。観るかは悩みどころ。


(C) All Rights Reserved by Bear Entertainment 2008
■公式サイト :「最強☆彼女」

もう1本韓国映画を。
「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」に続き
日本でも「僕の彼女はサイボーグ」を撮ったクァク・ジェヨン監督の最新作。
武術の天才である主人公が、恋したことをきっかけに
強い女を捨てようとする姿を描いたラブ・コメディ。
主演は「甘い人生」のシン・ミナ。


(c)2008「青い鳥」製作委員会
■公式サイト:「青い鳥」

「疾走」「その日のまえに」など、このところ映画化の続いている
重松清の同名短編を、本作が監督デビューとなる中西健二が映画化。
主演は「歩いても 歩いても」でも素晴らしい演技を見せた阿部寛。
共演は「K-20 怪人二十面相・伝 」も待機中の本郷奏多。
吃音を抱える臨時教師が、いじめの横行する中学校で
生徒たちと真正面からぶつかっていく姿を描いている。かなり期待。

▼時代に呑まれた若者達の幸福な一瞬。映画「GSワンダーランド」


(c)2008「GSW」製作委員会
■公式サイト:「GSワンダーランド」

今回は、40代以上には懐かしく、20代以下には逆に新鮮に映るかも知れない
空前のGSブームを描いた「GSワンダーランド」を紹介。


■YouTube:「GSワンダーランド 予告編」

1968年、日本中にGSブームが巻き起こる中、
すっかり出遅れたファインレコーズもGS専門レーベルの立ち上げを企画する。
社長(岸部一徳)からメンバー集めを任された梶井(武田真治)は
近所のビルの屋上で演奏する三人組(石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介)を発見、
早速デビューに向けて準備を進めるが、会社が用意した曲でデビューするには
オルガン担当が必要だった。
困った梶原は、ソロデビューを夢見て上京した少女ミク(栗山千明)に男装させて
4人組バンドとしてデビューさせるアイディアを思いつく。
いい加減な即席ユニットではあったが、ミクの人気に火がついたことをきっかけに、
大人気バンドへと駆け上がっていく。


本作は、GSブームが日本中を騒がせている絶頂期から始まる。
つまり、スタート時点がブームの頂点であり、
短命に終わったGSブームの終焉までを追っていく構成になっているのだ。
抜きん出た才能も持たず、ただ漠然とした夢を追いかける若者達と、
ブームの波に乗り損ねたレコード会社との思惑が一致し、
ほんの束の間、夢の世界で成功を収める。
お仕着せの衣装と楽曲で明るく歌う姿は、現代のアイドル達と何も変わらない。
やがて、時代の荒波に呑み込まれた若者達は
自分達の足下を見つめ直すことと、未来へ向けて踏み出すことを悟る。
もちろん、ブーム終焉後も芸能界で確固たる地位を築いたアーティストも多くいる
(本作に出演している岸部一徳などはまさにそのひとりであろう)が、
GSのみならず、ブームの影にはこういった若者が多く存在しているのだと思う。

題材がGSだけに、音楽面の充実度が素晴らしく
全編で流れるGSサウンドのクオリティはかなり高い。
石田卓也や高岡蒼甫が予想以上に歌が上手いのも驚いたが
温水洋一の美声は必聴レベル。
栗山千明がラストで熱唱する「ダイアモンド・ナイト」の
過剰にセクシー&歌謡ロックなテイストがたまらない。
どう形容して良いのか悩んでいたところ、パンフレットの中で泉麻人が
「辺見マリ&EGO-WRAPPIN'」と書いていて爆笑してしまった。
まさにその通り。
早速サントラCDを買うかと手に取ってみると、何と入っていなかった。
むむ、「ダイヤモンド・ナイト」を聴くにはDVDを買うしかないのか。

笑いの要素の中に、ほんの少し苦味を感じる、質の良い青春映画。
GSに馴染みのない世代の方にも是非ご覧いただきたい。
「黄色い涙」や「グミ・チョコレート・パイン」あたりが
お好きな方には特にお勧めだ。


■CD+DVD:「海岸線のホテル/ザ・タイツメン」
■CD:「GSワンダーランド・オリジナル・サウンド・トラック」
■DVD:「黄色い涙」
■DVD:「グミ・チョコレート・パイン」




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