アポロ11号に熱狂した全ての少年達へ。映画「ザ・ムーン」 | 忍之閻魔帳

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(c) Dox Productions Limited 2007. All rights reserved
■DVD:「ザ・ムーン スペシャル・エディション」

天文学の父、ガリレオ・ガリレイが月に望遠鏡を向けてから今年でちょうど400年。
国際連合、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、国際天文学連合は、
記念すべき今年を「世界天文年」と定めている。
【公式サイト】世界天文年2009ホームページ

第一生命保険が未就学児と小学生を対象に毎年実施している
「大人になったらなりたいもの」ベスト10の2007年度版は以下の通り。
*( )内は2006年度の順位。

01位(01):野球選手
02位(03):学者・博士
03位(02):サッカー選手
04位(08):お医者さん
05位(04):大工さん
06位(17):パイロット
07位(04):警察官・刑事
08位(04):食べ物屋さん
08位(11):料理人
10位(07):消防士・救急隊

私が子供の頃は、パイロットが1位の常連だったのだが
ここ最近はさほど高くないようだ。
無限に広がる大宇宙に憧れていた私は、「宇宙戦艦ヤマト」や
「銀河鉄道999」を見ながら、自分が大人になる頃には、
宇宙旅行も簡単に行けるようになっているだろうと信じていた。
が、進化の速度は思ったよりも遅く、
2009年現在、宇宙旅行には最低でも20万ドルの費用がかかる。
(地球と宇宙の境界線、高度100kを2~3時間かけて往復するツアー。
 ヴァージン・ギャラクティック社他が2010年から開始予定)

今回紹介する「ザ・ムーン」は、1969年にニール・アームストロングが
月面に着陸してから40年という節目に製作されたドキュメンタリーである。
アメリカの資料保管所で液体窒素を使って保存されていた
門外不出の極秘資料の中から選び抜かれた映像が、
アポロ計画に携わった10名のパイロット、
バズ・オルドリン、マイク・コリンズ、アラン・ビーン、ジム・ラヴェル、
エドガー・ミッチェル、デイヴ・スコット、ジョン・ヤング、チャーリー・デューク、
ハリソン・シュミット、ジーン・サーナンの
貴重なインタビューを交えつつ、コンパクトにまとめられている。



NASAの蔵出し映像をウリにしているのなら
当然、宇宙での映像がメインになるものと思っていたのだが、
実際には飛び立つまでの準備期間・パイロット達のインタビュー・
蔵出し映像の3パートがほぼ均等割されている。
これは、本作が単なる「資料価値の高い映像集」ではなく、
世界中が熱狂した「人類初の月面着陸」という一大イベントと、
それに関わった全ての人々の想い出を、この1本に凝縮させようとしたからであろう。

それにしても、インタビューに応える
パイロット達の瞳の輝きはどうしたことであろうか。
ベタな言い方で申し訳ないのだが、本当に少年のようなキラキラとした瞳で
過去の体験を語っている彼等を見ていると、披露されるエピソードを聞くまでもなく
人生を変えるほどの体験をして来たのだと分かる。
ひとりのパイロットが言った
「貴重な体験をした人間として生きていかなければならない」という言葉からは、
後続の者達に夢を与え続ける、先駆者としての責任と覚悟がうかがえる。

これまでに何度も話題になってきた「アポロ計画陰謀論」についても、
パイロット達は満面の笑顔で一蹴している。
そんな彼等の言葉を裏付けたのが、日本の打ち上げた宇宙探査機
「かぐや」であったことは、日本人としてとても嬉しい。
(2008年、「かぐや」がアポロ15号の着陸に際して出来たクレーターを撮影)
疑惑が全て払拭されたわけではなく、未だに陰謀論を唱える識者は多いが
私としては、そんな下らないことにエネルギーを費やす人間の戯れ言などどうでも良い。

現在のNASAの最新技術でどこまでクリアな映像が見られるのかを
盛り込んで欲しかった気もするが、まぁ贅沢は言うまい。
見上げた月の美しさと、あそこに行った人がいるのだというロマン。
「銀河鉄道999」を読み耽っていた少年期に引き戻された100分間は
私にはとても心地良かった。

本作は全国のTOHOシネマズで親子割引が実施される。
1月18日と25日の2日間、初回と2回目の上映分のみではあるが、
大人1000円、子供500円で鑑賞出来るので、是非お子様連れで。


■PSP:「廉価版・大平貴之監修 ホームスター ポータブル」
■BD:「NHK VIDEO月周回衛星「かぐや」が見た月と地球 地球の出そして地球の入」
■Book:「もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き」

【紹介記事】掌に星空を「ホームスター ポータブル」

PSP「ホームスター ポータブル」は、現在所有している全PSPソフトの中でも
かなりのフェイバリット作品。詳しくは紹介記事にて。
BD「「かぐや」が見た月と地球」は映像のクオリティは凄まじいのだが
時間が短いのが玉に瑕。


■CD:「TEMPTATION/吉田美奈子」

カップリングに収録されている「FOOT STEPS」は
月をテーマにした楽曲(洋邦含む)の中で、私が一番好きな曲。
確かNHKに出演した時のものだと思うのだが、
YouTubeに映像があったので紹介しておこう。

■YouTube:「FOOT STEPS/吉田美奈子」

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  タイトル:ザ・ムーン
    配給:アスミック・エース
   公開日:2008年1月16日
 公式サイト:http://themoon.asmik-ace.co.jp/
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