今週の映画「ノーカントリー」、AmazonでHD-DVDソフトが投げ売り中、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

▼AmazonでHD-DVDソフトが投げ売り中


■Xbox360:「Xbox 360 HD DVD プレーヤー」

次世代DVD規格戦争には破れたものの、
Xbox360用のプレーヤーは大ヒット中のHD-DVD陣営。
現在Amazonでは、HD-DVD用ソフトが一斉に大幅値下げ中。


50%OFF■HD-DVD:「トランスフォーマー」
50%OFF■HD-DVD:「ブラック・レイン デジタル・リマスター版」
50%OFF■HD-DVD:「ドリームガールズ」
50%OFF■HD-DVD:「M:i-3 ミッション:インポッシブル3」
40%OFF■HD-DVD:「ザ・シューター/極大射程」

ブルーレイ版の出荷が停止されている
パラマウント系の作品が多数含まれているのが特徴で、
現時点ではブルーレイ版が発売されていない「トランスフォーマー」や
松田優作の遺作となった「ブラック・レイン」などはかなりのお買い得&貴重。
発売間もない「ザ・シューター」までが40%OFFになっている他、
ほとんどのタイトルが40%~50%OFFとなっているので、
つい最近360用のプレーヤーを購入したという方は、一度覗いてみることをお勧め。
ノーマルDVDの廉価版並みの価格で高画質が楽しめる滅多にないチャンスだ。


■HD-DVD:「ボーン・アルティメイタム」

HD-DVD陣営最後の大作となるであろう
「ボーン・アルティメイタム」も好評発売中。
こちらもブルーレイ版は未発売。

●セール対象商品一覧はこちら

▼「魔法にかけられて」が初登場1位(Movie Walker)

1位(-):魔法にかけられて
位(1):ドラえもん のび太と緑の巨人伝
3位(3):ライラの冒険 黄金の羅針盤
4位(4):クロサギ
5位(-):犬と私の10の約束
6位(2):ジャンパー
7位(5):バンテージ・ポイント
8位(6):ワンピース 冬に咲く、奇跡の桜
9位(7):L change the WorLd
10位(8):超劇場版ケロロ軍曹3 天空大決戦であります!

ディズニーアニメの世界が実世界と繋がってしまう
ファミリー向け娯楽作品の「魔法にかけられて」が初登場で第1位に。
私はこの手のコメディとは滅法相性が悪いため未鑑賞。
「犬と私の10の約束」は「クイール」「子ぎつねヘレン」の
連続ヒットに味をしめた松竹がおくる、3匹目のドジョウ狙い作品。

▼今週の1本。映画「ノーカントリー」(公式サイト)


■Book:「血と暴力の国/コーマック・マッカーシー」

今週紹介する映画は、ファミリー向けが上位を占める中で
ひっそりと先週末に公開された「ノーカントリー」。
製作・監督・脚本は「ファーゴ」のコーエン兄弟。
原作はコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」。
出演は、老いた保安官ベルに
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」のトミー・リー・ジョーンズ。
冷徹な殺し屋シガーには、私の大好きな作品である「海を飛ぶ夢」でも
素晴らしい演技を見せてくれたハビエル・バルデム。
大金を持って逃げる男サムには「アメリカン・ギャングスター」のジョシュ・ブローリン。



物語自体はとてもシンプルにまとめてあるので、筋を追うだけでも、
緊張感のあるクライム・サスペンスとしてそこそこ楽しめる。
しかし、この作品で描かれている1980年という年と
それから28年が経過した2008年の犯罪事情を考えた時、
様々な想いが脳内を駆け巡り、今すぐリピートしたくなる不思議な魅力を持っている。
上澄みを救うだけではもったいない、非常に濃厚な作品だ。

登場人物は皆それなりの年齢にさしかかった男達で、
ここまで生き抜いて来たことに対して、彼等なりの誇りや信念を持っていた。
その信念を揺るがす現実に直面した男達の姿を描いた本作の原題は、
「No Country for Oldmen」。
「for Oldmen」を削った配給会社の邦題担当者は
この映画をきちんと観ていなかったのではないか。

無表情に殺人を繰り返すシガーを演じたハビエル・バルデムが
「海を飛ぶ夢」とは全く違う難役を怪演しており、
本年度のオスカー(助演男優賞)も受賞した。
「羊たちの沈黙」のレクター博士以来の悪役だと紹介している
映画サイトもあったのだが、ハビエル演じるシガーは
ただ単に「ルールから外れたことをしない男」であり、
その信念の固さは、老保安官のベルともさほど変わらない。
ハンニバル・レクターのように、犯罪に美学を持ち、殺人を楽しむ
インテリ狂人とは何もかもが違う人間なので
「猟奇的な犯罪者」という括りで一緒にしてしまうのは、少々乱暴な気がする。

私的には1800円支払って観る価値は充分にあったが、
腑に落ちない箇所や、(意図的ではあろうが)荒削りな演出も目立つ、
クセの強い作品であることも確か。ピンと来た方なら是非。