■DS：「みんなで自分の説明書 B型、A型、AB型、O型」
久しぶりにサイバー・バズでゲーム関連の案件が来たので受けてみた。
お題となるソフトは、今年最も売れた書籍として知られている
「自分の説明書」シリーズのゲーム化である
DS「みんなで自分の説明書 B型、A型、AB型、O型」。
発売元はガンホー・ワークスだが、電源を入れてすぐに
DS「大人のDSミステリー いずみ事件ファイル」を手掛けた
スクリプトアーツのロゴが出て来た。
2008年度のベストセラーランキングトップ50では
トップこそ「ハリー・ポッターと死の秘宝」（162万部）に譲ったものの、
第2位「B型自分の説明書」（135万部）
第4位「A型自分の説明書」（106万部）
第5位「O型自分の説明書」（105万部）
第7位「AB型自分の説明書」（68万部）と
シリーズ全てがトップ10にランクイン。
シリーズ累計は400万部を超えるという驚異的な人気を誇っている。
今回発売されるDS版は、書籍版4作を丸ごと収録し、
原作者であるJamais Jamais氏の書き下ろしの設問も用意されてる。
私は原作本は未読なので今回が「自分の説明書」シリーズの初体験だったのだが・・・。
「遊んでみた率直な感想を」と書かれているので率直に書く。
このソフトは、ブームが長続きしないことを見越した上で
ゲームの完成度よりも「旬」を最優先したのではないかと思う。
「脳トレ」や「インド式計算」などには、正解がすぐ分かる、
繰り返し遊べるといった「ゲーム化することのメリット」がきちんとあったのだが、
本作は、書籍版の文章をゲームに落とし込んだだけで終わってしまっている。
（ミニゲームのようなモードも入っているが、DSiウェアでいう200円も厳しいレベル）
メインとなっている「自分の説明書」モードだが、
説明書を作るために用意された設問は800問。
テンポ良くこなしていったとしても、最低20分はかかる。
自問しつつじっくりやると1時間は余裕で超えるのではないか。
（一応途中セーブも用意されている）
黙々と質問に答え続けた数十分後の結果は、たったの1ページ、数行。
しかも、「血液型などというもので人は分類出来るものではありません」と、
自らの存在意義すら失わせるようなおまけ付き。
ぐったりした気持ちで「もっと自分の説明書」モードをプレイ。
自分の血液型ではない、他の血液型用の質問に回答し、
自分の中の「血液型度」を調べる。
私（A型）の血液型度は「B型：28%、A型：31%、AB型18%、O型：23%」であった。
3種類合計で約90分（元の30分を足すと2時間）を費やした末に
導き出されたのが、たったコレだけとは泣けてくる。
友人のデータを多数登録したり友人とデータ交換することにより、
原作にもなかった「裏（？）自分の説明書」なるモードが出現するらしいのだが、
申し訳ない、私はもうお腹いっぱいだ。
これだけ売れた書籍なので、もっと血液型についてのデータや
専門的な知識が豊富に詰まっているものだと勘違いしていたのだが、
その思い込みからして間違っていたのかも知れない。
このゲームは「A型ってこうだよね」「B型ってこういうとこあるよね」という、
日常会話に出てくる「血液型トーク」の総まとめであり、
それ以上の意味は持っていない。
ヒットの理由がそこなのであれば、これはこれで正解なのであろう。
しかし、
■縦画面になったり横画面になったりはっきりしない
システムメニューは横画面、説明書入力モードでは縦画面
■演出が地味
説明書入力中の左画面がほぼ無意味
グラフィックもBGMも、掛け値無しに携帯アプリと同レベル
■モード選択を間違った時に「戻る」ことが出来ない
電源を落とすかしかない
■タッチペンのみ
十字キー＋ボタン入力でも充分プレイ可能では
これらの難点は、少し時間を解消出来たものばかりではないか。
書籍版4冊分とほぼ同価格（3800円）なので、
コストパフォーマンスはそこそこ＆書籍4冊分より場所をとらない。
そこに商品価値を見出せて、
なおかつゲームとしてのショーアップを期待していない方なら。
■DS：「DS占い生活」
【紹介記事】無くてもいいが、あると手が出る。DS「DS占い生活」
こちらは任天堂から発売。2009年1月15日発売。
以前紹介済みなので、詳しくはそちらで。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル：みんなで自分の説明書 B型、A型、AB型、O型
メーカー：ガンホー・ワークス
ハード：DS
発売日：2009年12月30日
価格：3,800円（税込み）
公式サイト：http://jibu-setsu.com/index.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★