2008年度・劇場公開作品の総まとめ:邦画編、他 | 忍之閻魔帳

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2008年度・劇場公開作品の総まとめ:洋画編

▼2008年度・劇場公開作品の総まとめ:邦画編

邦画界の映画賞も次々に発表になっているので
一度はやってみたかった、映画の総まとめなどをやってみたい。
劇場で観た作品だけを対象に、私のツボを刺激した作品を並べてみた。
多くの映画賞の基準に倣い、2008年12月公開のものは2009年度対象作品とし、
2007年12月公開のものを2008年度対象作品に入れている。

まずは、昨年観た中で「これは酷い」と思った作品を3本。


「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」
 下の2本もそうとうにアレな作品ではあったのだが、
 まだ「映画」としての体は成していた。これは映画にすらなっていない。
 要潤はコメディもいけると踏んで期待していた分、ショックが大きかった。
 地上波で放送されるドラマとしても許されないレベル。
「少林少女」
【紹介記事】「少林サッカー」好きは見るべからず。映画「少林少女」
「252/生存者あり」
【紹介記事】真面目に観るのは危険。映画「252 生存者あり」

洋画にもどうかと思う作品はあったのだが、
この3本が抜きん出ていたので邦画ばかりになってしまった。
「少林少女」はフジ、「252/生存者あり」は日テレで、
現在公開中の「感染列島」はTBS絡み。
テレビ局製作の映画が全部悪いとは言わない。
ただ、もう少し真面目に作って欲しい。

さて、ここからは真面目に、楽しめた作品を一行コメント付きで公開順に紹介。
まずは邦画から。*( )内はDVD発売日。

2007年12月:Little DJ 小さな恋の物語(発売中)
 定番の難病モノではあるが、神木隆之介&福田麻由子の演技が抜群。選曲も◎。
2007年12月:グミ・チョコレート・パイン(発売中)
 格好悪い青春映画をやらせたら、石田卓也の右に出る者なし。格好悪さがいい。
1月:ちーちゃんは悠久の向こう(発売中)
 こちらも人気上昇中の林遣都&仲里依紗がなかなか良い、SFタッチの青春映画。
2月:歓喜の歌(発売中)
 志の輔落語の出来の良さを損なうことなく松岡錠司監督が映画化。小林薫が素晴らしい。
3月:接吻(2月25日発売)
 殺人者にシンパシーを感じた女性を小池栄子が怪演。
3月:口裂け女2(発売中)
 都市伝説に未解決事件という要素を追加して「1」を遥かに上回る出来に。怖い。
4月:ぼくたちと駐在さんの700日戦争(発売中)
 限度を知った悪ガキ達と大人の峰打ち合戦が楽しい。キャスティングの勝利。
5月:アフター・スクール(発売中)
 芸達者が揃っているので安心して見ていられる。が、期待が大き過ぎたためあと一歩。
6月:歩いても 歩いても(1月23日発売)
 私の2008年度No.1作品。味付けは薄めでも、出汁はしっかり。匠の技が光る。
6月:ぐるりのこと。(2月25日発売)
 妻の病気を通して一組の男女が「夫婦」として完成していく過程を上手く描いている。
6月:ザ・マジックアワーBD版(発売中)
 三谷幸喜が好きなら。ただし、独りで見ても楽しさは半減するかも。
6月:DIVE!!/ダイブ!!(発売中)
 親が子にかける期待の難しさが上手く出た佳作。熊澤尚人監督作品なので若干甘め。
7月:崖の上のポニョ(現段階では未定)
 アニメの基本に立ち返りつつ、時代にも逆行していない仕上がりはさすが。
7月:クライマーズ・ハイBD版(発売中)
 ドラマ版とはまた違うアプローチ。堤真一と堺雅人が良い。
7月:純喫茶磯辺(2月6日発売)
 ダメ親父と出来た娘の人情喜劇。ここでも仲里依紗が光っている。
7月:百万円と苦虫女(1月30日発売)
 蒼井優主演の変形ロードムービー。森山未來との相性が抜群。
8月:デトロイト・メタル・シティ(2月13日発売)
 コミック原作の映画化としては大きな不満はなし。が、松山ケンイチの今後が心配。
8月:闇の子供たちBD版(2月25日発売)
 実話かフィクションかではなく、大人の責任として世界中で考えるべき題材。
9月:イキガミ(4月24日発売)
 奇抜な題材に反し、丁寧な人間ドラマに仕上がっている。松田翔太もハマり役。
9月:おくりびと(3月18日発売)
 納棺師という仕事に目をつけた時点で勝ち。広末涼子が明らかにミス・キャスト。
9月:トウキョウソナタ(4月24日発売)
 家族の再生を描いた黒沢清監督の新境地。母親役の小泉今日子が素晴らしい。
9月:パコと魔法の絵本BD版(3月6日発売)
 「下妻物語」「嫌われ松子」を経て、2作の良い点を凝縮した本作に。
10月:しあわせのかおり 幸福的馨香(4月10日発売)
 互いの痛みを知った師弟関係がいつしか疑似親子に。地味だがかなりの秀作。
10月:容疑者Xの献身BD版(3月18日発売)
 メジャー作品にしては良く出来たサスペンス。堤真一が完全に主演を喰っている。
11月:青い鳥(7月24日発売)
 いじめの起きたクラスに赴任した吃音の教師のドラマ。重いが必見。
11月:イエスタデイズ(3月25日発売)
 余命僅かな父親と息子の心の交流を描いた秀作。國村隼の父親役が泣かせる。
11月:GSワンダーランド(4月24日発売)
 「グミチョコ」同様、愛すべきカッコ悪さの若者達を描いた作品。
11月:天国はまだ遠く(現段階では未定)
 心に傷を持つ二人が生活を共にするドラマ。加藤ローサがいい。
11月:ハンサム★スーツ
 邦画特有の湿っぽさがない、軽いテイストのコメディ。
11月:ブタがいた教室(4月10日発売)
 本気で論争を繰り広げる子供達の真剣な眼差しに圧倒される。

以上、30作品。
この中からさらに上位10作品に絞り込むとすれば・・・

「歩いても 歩いても」
「青い鳥」
「歓喜の歌」
「しあわせのかおり 幸福的馨香」
「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」
「パコと魔法の絵本BD版」
「イエスタデイズ」
「崖の上のポニョ」
「百万円と苦虫女」
「クライマーズ・ハイBD版」

悩みまくってこの10本。
完全に趣味で選んでいるので、異論の多い方も多いことと思う。
世間で評価の高い「おくりびと」を入れなかった理由は、
題材の目のつけどころ以外にズバ抜けた点がなかったため。
全体的に作りはとても丁寧で、広末涼子以外に目立った不満点はなし。
同じく評価の高い「ぐるりのこと。」は、
監督の個人的な体験をヒントにして書いているだけあって
リアルな部分はとてもリアルなのだが、
テーマを夫婦間の再生にしたことで「嘘」が増えてしまった気がする。
怖いほどリアルな部分と、明らかに想像で書いた嘘の部分とが
素人目にも分かるほどはっきりと色分けされてしまっている。
木村多江とリリー・フランキーはとても魅力的だったので惜しい。

「歩いても 歩いても」と「青い鳥」の2作品で主演を務めた
阿部寛はもっと評価されて良いと思う。
特に「青い鳥」の教師役は素晴らしかった。
メジャー系作品のオーバーアクションな役柄ばかりが話題になるのは残念。

▼「FF7ACC」「おくりびと」等、DVD新作情報


■BD:「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート 限定版」
■BD:「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE 通常版」

PS3「ファイナルファンタジーXIII」の体験版を同梱している
限定版はゲームジャンル、特典無しの通常版はDVDジャンルでの扱い。4月16日発売。


■BD:「羊たちの沈黙」
■BD:「悪魔のいけにえ」
■BD:「バンク・ジョブ」
■DVD:「バンク・ジョブ デラックス版」
■DVD:「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」
■DVD:「この自由な世界で」
■BD:「P.S.アイラヴユー」
■DVD:「P.S.アイラヴユー プレミアム・エディション」

サイコサスペンスの傑作「羊たちの沈黙」や
最怖のホラー映画「悪魔のいけにえ」のBD化が決定した他、
割と最近紹介したばかりの「バンクジョブ」や
ショービジネスにかける若者の情熱を追った「ブロードウェイ♪ブロードウェイ♪」、
ケン・ローチ最新作の「この不自由な世界で」など、今回の洋画は良作揃い。
「羊」は「ハンニバル」と「レッドドラゴン」もセットにして欲しかった。


■DVD:「M-1グランプリ2008(仮)」

昨年末放送の「M-1グランプリ」もDVD化。3月31日発売。
現状の活躍ぶりを見るに、出場の恩恵を最も受けているのはオードリーでは。


■BD:「ICHI」
■DVD:「ICHI プレミアム・エディション」
■DVD:「イエスタデイズ デラックス版」
■DVD:「しあわせのかおり 幸福的馨香」
■DVD:「おくりびと」
■DVD:「藤子・F・不二雄のパラレル・スペース DVD-BOX 初回限定版」

邦画では、綾瀬はるかが女座頭市を演じた「ICHI」が4月3日に決定した他、
本年度の映画賞を次々に獲得している「おくりびと」が3月18日に、
私のお勧めである「イエスタデイズ」は3月25日、
同じくこちらも素晴らしい「しあわせのかおり」は4月10日に発売日が決定。
「藤子・F・不二雄のパラレル・スペース」はWOWWOWで放送されていた
全6話、各30分の実写ドラマをDVD化したもの。3月25日発売。
各エピソードの主な出演者は以下の通り。

第1話「値ぶみカメラ」長澤まさみ、安斎肇、渡辺えり、他
第2話「あいつのタイムマシン」田畑智子、ミムラ、他
第3話「ボノム 底ぬけさん」國村隼、中山祐一朗、他
第4話「かわい子くん」本多力、麻生久美子、要潤、他
第5話「征地球論」谷村美月、小林すすむ、他
第6話「ボクラ共和国」日向ななみ。長島弘宜、他


■DVD:「劇場版グレンラガン 紅蓮篇 完全生産限定版」

単館系公開ながら連日満員の好評を得た
「劇場版グレンラガン 紅蓮篇」がDVD化。4月22日発売。


■DVD:「少女革命ウテナDVD-BOX 下巻」

上巻だけが発売され、下巻の発売が無期延期になっていた
「少女革命ウテナ DVD-BOX 下巻」が3月11日に決定。
延期の原因は定かではないのだが、まずは決定を喜びたい。


■DVD:「ストリートファイターII V DVD-BOX」
■DVD:「ストリートファイターZERO THE ANIMATION DVD BOX」

2月12日にはシリーズ最新作のPS3・Xbox360「ストリートファイターIV」が、
2月28日には映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」が公開と
話題に事欠かない「ストリートファイター」シリーズから、今度は過去の映像作品が復刻。
「ストリートファイターII V DVD-BOX」は、
1995年に放送されたテレビアニメシリーズのDVD化。
94年公開の劇場版とは異なり、本作はこれが初のDVD化となる。
(*使用している画像は劇場版のもの)
ケンを羽賀研二、春麗を横山智佐が演じていた。
「ストリートファイターZERO THE ANIMATION DVD BOX」は、
2000年に一度発売済みのタイトルに、日本未発売の
「ストリートファイターZERO Alpha Generations」を加えてBOX化したもの。
こちらの配役は、リュウがケイン・コスギ、春麗が冬馬由美、ローズが折笠愛など。
2作同時購入の連動企画も予定されている。3月18日発売。

▼スケベウィルスが猛威を振るい、「感染列島」が1位


(C)2009 映画『感染列島』製作委員会
【公式サイト】感染列島
【紹介記事】有名女優だけ手加減するスケベウィルス。映画「感染列島」

1位(-):感染列島(1週目)
2位(1):WALL.E/ウォーリー(7週目)
3位(2):チェ 28歳の革命(2週目)
4位(3):K-20 怪人二十面相・伝 (5週目)
5位(5):赤い糸(5週目)
6位(4):地球が静止する日(5週目)
7位(12):禅 ZEN(2週目)
8位(6):252 生存者あり(7週目)
9位(7):劇場版MAJOR 友情の一球(6週目)
10位(10):ティンカー・ベル(4週目)

「ワールド オブ ライズ」「私は貝になりたい」が圏外へ去り、
妻夫木聡・檀れい主演の「感染列島」が1位に、
公開2週目に入っても動員数の減らない中村勘太郎主演作「禅」が7位にランクイン。
曹洞宗を開いた道元禅師の生涯を描いた作品で上映館も少ないのだが
観賞後の評価が非常に高く、今後もロングランとなりそうだ。
今週末から本公開となる「007 慰めの報酬」の先行上映は
公開2日間で累計2億7160万円の興収を記録。

★公開中の作品紹介一覧

【紹介記事】親子揃っての鑑賞をお勧め。「ブタがいた教室」
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