お片づけ不要のスーパー積み木遊び。Wii「ブームブロックス」 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

Wii ブームブロックス
12月16日発売■Wii:「EA BEST HITS ブームブロックス」

パッと見てお分かりの通り、売る気ゼロのパッケージである。
小さく書かれた「A STEVEN SPIELBERG」の文字も
どことなく申し訳なさ気で、発売してすぐだと言うのに、
このままひっそりと消えていく予感がヒシヒシとする。
しかし、Wiiユーザーならば、一度は遊んでおくことをお勧めする。

今後発売予定のWii用タイトルをチェックしてみよう。

7月24日:サムライスピリッツ六番勝負
7月24日:実況パワフルプロ野球15
7月24日:ワリオランドシェイク
7月24日:めざせ!! 釣りマスター 世界にチャレンジ編
7月31日:ドカポンキングダム for Wii
7月31日:零 月蝕の仮面
8月07日:サバイバルキッズWii
8月07日:忌火起草 解明編
8月21日:廉価版・ニード・フォー・スピード カーボン
8月28日:キャプテン★レインボー

(7月26日の時点では)8月末までに発売予定のタイトルは
たったの10本である。(しかも1本は廉価版)
この中で、野球の「パワプロ」、格闘ジジィ向けの「サムスピ」、
ホラーの「零」「忌火起草」を抜くと、
Wiiに多数存在するライトユーザー、ファミリー層は夏休みに何を買えば良いのか。

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12月16日発売■Wii:「EA BEST HITS ブームブロックス」

「ブームブロックス」を買えば良い。
正直な話、任天堂的には夏のメインに考えているであろう
「ワリオランドシェイク」を外してでも、本作を手に取ってみて欲しい。
本作にはそれだけの価値がある。

本作の最大の魅力は、積み木遊びや、砂場での棒倒し、
黒ひげ危機一発ゲーム、ジェンガといった、
本物のブロックや砂を触りながら遊んでこそ得られる緊張感や快感といったものを
ちゃんとゲームで得られるという点である。
それも、「しょせん擬似的に再現しているのだ」と思わせないほどリアルに。



一応、パッケージには「アクションパズル」と表記されているが、
ひとり用、多人数用とあれこれ試すほどに、様々な顔を見せ始める。
ひとり用モードは、基本となる6つのルールに則って作られた課題を
次々にクリアして行くアドベンチャーと、エクスプロアーの2種類。
積み上げられたブロックの上に置かれた宝石を、
「急所」を探してなるべく少ない手数で全て地面に落とすモードや、
ブロックの倒れる方向を計算しながら、「ボンブリス」さながらの
連爆を仕掛けるモード、Wiiリモコンをマジックハンドのように使って、
画面中のブロックを引き抜いたり振り回したりするモード、
宝石を奪いに来る敵を狙い撃ちして一定時間守り切る
「コズモギャング・ザ・ビデオ」風モード、
自動で歩いて来るキャラクターを落とさないように
足場を作って目的地まで届ける「チクタクバンバン」風のモード、
ボーリングのようにコースを見極めて一気にブロックを倒すモードなどなど、
ひとり用ONLYの仕様でも発売出来たのでは?と思えるほどのアイディアが満載。



しかし、このゲームはそれだけでは終わらない。
協力・対戦モードでは、大盛り上がり必至のゲームが多数収録されている。
高く積み上げられたブロックから交互にブロックを引き抜いていく
「ジェンガ」方式の対戦ゲームは、ボールをぶつけた後のグラグラが半端なくリアルで、
「Wii Ware」ならこの1種類だけで1000円ぐらいなら払っても良いほどの出来。
他にも、「ガンバレット」シリーズを彷彿させる射的ゲーム、
立体版の「ぺんぎんくんウォーズ」のようなぶつけ合いゲームと
多くのミニゲームが用意されている。

全てのモードに共通した難点はひとつだけ。
それは、「ズーム」が出来ないこと。
視点移動はスムーズで操作性も問題ないのだが
引きの視点でプレイしなければならないことが多いため
ピンポイントで狙いをつけたい時になかなか照準が定まらなくて困った。
十字ボタンなり1ボタン、2ボタンなり、
どこかにズーム機能を振り分けてくれていれば、
プレイ時の快適さはまるで違っていたと思う。
キャラクターが地味過ぎることは、価格が低めに抑えられたことと相殺しておこう。

ひとり用・対戦用共に各ゲームの出来にバラつきがあるのは事実だ。
ブロックを掴んで振り回すタイプのゲームは、私には面白さが分からなかったし、
「ガンバレット」風のシューティングでは、ポインタの精度よりも
連射がし辛いといった、高得点を稼ぐには致命的過ぎる調整不足もある。
しかし、「当たり」のゲームを数種類遊んでいるだけでも、
おそらく大半の方が満足出来るのではないか。

クリアするだけなら簡単、完璧を目指すなら手強いという懐の深さや
チュートリアルの充実、ステージ前のヒントの提示など
洋ゲーとは思えない親切さと丁寧なローカライズ。
これだけのことをやって3990円とは、他のメーカーも是非見習って欲しい。

「立体」についての知識を身に付けるには最適の教材なので、
小さなお子さんのいるご家庭は、理系の子を育てる大チャンスかも知れない。
親子でワイワイ言いながら楽しむも良し、
友人同士でジェンガで盛り上がるも良し、
どれだけ騒いでどれだけブロックを投げ飛ばしても、お片付けは一切不要だ。

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12月16日発売■Wii:「EA BEST HITS ブームブロックス」

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  タイトル:ブーム ブロックス
  メーカー:EA
   ハード:Wii
   発売日:2008年7月17日
    価格:3,990円(税込み)
 公式サイト:http://boomblox.jp/
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